NDC日本ドライケミカル株式会社

プラント防災設備


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泡消火設備

危険物の貯蔵・取扱い・製造を行う施設は、火災が発生し初期消火に失敗すると油流出を伴うなどの大規模火災に発展する恐れがあります。
このような火災の消火には大量の消火薬剤を必要とするため泡消火設備が最適で、効果的な消火を行うことができます。
泡消火設備に使用する泡は、水と泡消火薬剤を比例調合した泡水溶液に空気を吸引・発泡させたものです。 この泡は、耐火性、流動性、付着安定性に優れており、燃焼物表面を大量の泡で覆うことによって燃焼の持続を遮断します。 放出された泡は長時間消泡することがないので、再着火の危険性が少なく、石油等の引火性液体危険物の火災に対し威力を発揮します。

設備概要

泡消火設備は水源、加圧送水装置、泡消火薬剤貯槽を含む比例調合装置、泡放水口、泡消火栓、泡モニターノズル、泡ヘッド、そしてこれらをつなぐ配管等によって構成されます。
比例調合装置には調合方式が異なる差圧調合装置、等圧調合装置及びポンプ調合装置があります。

泡消火設備構成図

差圧調合装置(プレッシャー・プロポーショナー方式)

送水管から供給された水は、差圧調合管①に流れるものと加圧水導入管②を通って調合槽③の泡消火薬剤を押し出す流れに分かれます。
水④と泡消火薬剤⑤は差圧調合管のオリフィス下流側⑥で合流し、水側オリフィス⑦と泡消火薬剤オリフィス⑧の面積比で決定される規定濃度の泡水溶液となります。

  • たん白泡薬剤用差圧調合装置

  • バッグ入り差圧調整装置

等圧調合装置(バランスド・プレッシャー・プロポーショナー方式)

調合管①と等圧弁②によって、送水管から供給される水③と泡薬剤ポンプから送り出される泡消火薬剤④を規定濃度の泡水溶液⑤に調合します。
水と泡消火薬剤の調合率は、水側オリフィス⑥と泡消火薬剤側オリフィス⑦それぞれの上流側圧力が等圧である条件のもとで、それぞれの面積比によって決定されます。
等圧弁は、泡消火薬剤側の圧力を水側の圧力と等圧するはたらきをし、この等圧弁の設置位置によって逃がし方式と押込み方式に区別されます。

  • 逃がし方式

  • 押込み方式

泡消火薬剤

泡消火薬剤には、たん白系、フッ化たん白系、合成界面系および水成膜系の薬剤があり、これらの全てについて自治省令に基づく国家規格の検定合格品を準備しています。
これらの消火薬剤は、用途および消火特性がそれぞれ異なるので、危険物の種類、適用法規、消火性、使用場所の温度環境などに適合する種別を選定することが必要です。

泡消火薬剤一覧表

分類 名称 型式番号 型式 比重20℃ 防護対象・泡発生方式等の区分
炭化水素系危険物(原油等) 水溶性液体危険物(アルコール等) 一般対象物
危険物タンク火災 流出油火災 危険物タンク火災 流出油火災 航空機格納庫 ラック式倉庫
泡放出口 底部発泡 モニター泡ヘッド 高発泡発生器 泡放出口 モニター泡ヘッド 泡ヘッド泡ノズル 高発泡発生器
たん白泡消火薬剤 耐寒3% 泡 第51~3号 たん白泡3%
-10℃~+30℃
1.172          
フロロフォーム 泡 第52~5号 たん白泡3%
-10℃~+30℃
1.165        
超耐寒 フロロフォーム 泡 第5~1号 たん白泡3%
-20℃~+30℃
1.135        
アルコエース XL 泡 第10~2号 たん白泡6%
-10℃~+30℃
1.16    
アルコエース XL-3 泡 第13~8号 たん白泡3%
-10℃~+30℃
1.16    
合成界面 活性剤泡消火薬剤 耐寒 泡 第20~5号 合成界面活性剤 泡3%
-10℃~+30℃
1.025            
水成膜 泡消火薬剤 超耐寒サーフ ウォーター 泡 第6~6号 水成膜泡3%
-20℃~+30℃
1.05        
  • アルコエースは、アルコールのような水溶性の危険物に対し開発された耐アルコール泡消火薬剤です。
  • 優れた耐アルコール性とともに普通たん白泡消火薬剤の特性も保持しているので、石油系の火災に対しても優れた消火性能を有します。
  • フロロフォームは、たん白泡消火薬剤にフッ素系界面活性剤を添加してその性能を改良、強化した泡消火薬剤です。
  • 合成界面活性剤泡は石油化学製品をベースにしてつくられたもので、起泡性と泡の流動展開性に優れているので高発泡用として用いられます。
  • サーフウォーターはフッ素系界面活性剤を基材としてつくられたもので、消火後の油面上に泡消火薬剤の水溶液フィルムを形成することができる”Aqueous Film-Forming Foam”(AFFF)水成膜泡消火薬剤です。

タンク固定泡放出口

固定泡放出口は、主として石油など液体危険物の貯蔵タンクに設置されます。
放出方式には、貯蔵タンクの側板頂部より液表面に対して泡を放出する上部泡注入法と、貯蔵タンクの底部より泡を注入し、液層内を浮上させて液表面を覆う底部泡注入法とがあります。
危険物貯蔵タンクの構造、規模および放出方式に適したそれぞれ専用の発泡器と泡放出口を準備しています。
浮屋根タンク用の放出口には、地震発生時に浮屋根が揺動しても安全な耐震構造を採用しています。

タンク構造と固定泡放出口

設置対象
タンク構造
放出方式 固定式泡放出口 ライザーストレーナー
種別 発泡器型式 放射性能
at 0.35MPa
泡放出口
固定屋根タンク 表面泡注入法 II型 VND2-200 200 ℓ/min T-2 RST-050
VND2 1/2-350 350 ℓ/min T-2 1/2 RST-065
VND2 1/2-500 500 ℓ/min
VND2 1/2-650 650 ℓ/min RST-080
VND4-750 750 ℓ/min T-4 RST-100
VND4-1000 1000 ℓ/min
VND4-1250 1250 ℓ/min
VND4-1500 1500 ℓ/min
VND6-1900 1900 ℓ/min T-6 RST-150
底部泡注入法 III型 HBP-25, 50, 70,
100, 125, 160
型式×10 ℓ/min
at 0.7MPa
HBO-3, 4,
6, 8, 10
-
浮き屋根タンク 表面泡注入法 特型 VND2-200 200 ℓ/min J-65A RST-050
VND2 1/2-350 350 ℓ/min J-80A RST-065
浮き蓋付
固定屋根タンク
表面泡注入法 II型 VND2 1/2-350 500 ℓ/min DA6-3 RST-065
VND2 1/2-650 650 ℓ/min DA6-3 RST-080
VND4-750~1500 750~1500 ℓ/min DA10-6 RST-100
VND6-1900 1900 ℓ/min DA12-8 RST-150

化審法施行令改正(PFOA規制)に伴う泡消火薬剤の扱いに関する資料は、こちらをクリック

■プラント防災設備に関するお問合わせ:03-5815-5041

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