大気組織成分で構成される新混合ガスを使用し、「人体への安全」「地球環境の保全」「確実な消火」を確保した消火システムとして開発されました
IG-541(不活性ガス)消火剤は、大気組成成分である窒素・アルゴン・二酸化炭素の混合ガスです。
米国・ペンシルベニア大学の呼吸医学の権威・ランバートセン博士が考案し、大気成分である窒素、アルゴン、二酸化炭素の三種を混合し「人体に安全な新しい消火ガス」として、米国・アンスル社が開発しました。
単に酸素濃度を下げる窒息消火剤では人体への危険性が懸念されますが、IG-541には二酸化炭素が適量添加されていることにより放出時に、人体への影響がほとんどありません。
消火剤放出時に、窒息消火に必要な12%~13%の低酸素濃度と3~4%の二酸化炭素濃度の組み合わせが人体保護のために有効です。
適量の二酸化炭素には肺換気促進作用や脳血管拡張作用がありますが、博士はこれを利用して、吸気が低酸素状態でも脳への酸素供給量を減少させないように、二酸化炭素濃度を3~4%に抑えたガス構成を考案しました。
このため、脳の呼吸中枢が刺激されて呼吸量と血量が増えて脳への酸素供給量が確保され、消火ガス放出下の火災時でも、正常な退避行動がとれます。
この安全性が欧米で高く評価され、日本でも多数の納入実績を誇っています。
不燃材の床・壁・天井・屋根で仕切られた密閉可能な室内に特定濃度の不活性ガス(IG-541)を均等に放出、消火する方式です。
などの設置を必要とします。
※既存設備のリニューアルに際しても、ご検討ください。
使用消火剤 | IG-541消火剤、窒素、アルゴン、二酸化炭素の混合ガス |
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貯蔵容器仕様 | 83ℓ 高圧容器 設計ガス放出量 22.6m³、15.7m³、13.2m³、11.6m³(20℃時) |
放出係数 | 0.472m³/m³(全域放出方式) |
設計濃度 | 37.6~43.0% |
放出時間 | 60秒以内 |
放出方式 | 全域放出方式 不燃材で仕切られた密閉可能な建築物に適用する。この方式は、消火剤の放出前に防護区画内の人員を安全に避難させる放送・警報装置、消火効果を損なう換気の停止、開口部分がある場合の自動閉鎖装置、放射中の入室を防止するための標識と放出表示灯の設置を必要とする。 |
起動方式 | 火災感知器による自動起動方式を基本とする。(手動起動装置も併設) |
設備配置 | 集中配置方式 貯蔵容器を消火設備室に集中設置し、防護区画起動装置・選択弁の開放により、必要量を配管圧送する方式。 |
放出ガスの措置 | 放出された消火用ガスは、鎮火後に一般排気装置を利用し排出する。(専用の排ガス装置は不要) |
安全対策の付加 | 起動信号の短絡による誤放出を防止する制御回路を設ける。 |
配管仕様 | 選択弁1次側、主にSTPG370 Sch80継目無鋼管を使用する。 選択弁2次側、主にSTPG370 Sch40継目無鋼管を使用する。 配管圧力損失計算によって使用サイズを決定する。 |
(注)消防法施行規則に規定されていない防護区画に対して本設備を設置する場合には、消防法施行令第32条に基づいて特例申請を行い、(財)日本消防設備安全センターまたは危険物保安技術協会でガス系消火設備等の評価を事前に受けることが必要となる場合があります。
不活性ガス消火設備の4種類とハロゲン化物消火設備の3種類を一覧表にしたものです。
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