ハロン1301は、常温大気圧下では無色無臭で毒性が少ない安定した気体です。
このハロン1301の液化ガスを更に4.2MPa(20℃で)まで窒素ガスで加圧して、高圧ガス容器に貯蔵・保管し、火災の際には遠隔操作で容器弁を開放し、自圧で対象区画に薬剤を放出し消火します。
室内容積の5%程度の薬剤をすばやく放射することで迅速に消火することができます。
ハロン1301消火薬剤は、燃焼反応を化学的に抑制することで消火します。
薬剤は火災の熱により分解し、臭素ラジカルを遊離し、これが火炎中のHやOHの活性種を捕捉して燃焼の連鎖反応を中断します。この負触媒効果が消火の原理です。
5%程度の低濃度で迅速確実に消火でき、消火後の汚損も少ない高性能の消火薬剤です。
ハロンは今でも使用できます。
ハロンはオゾン層破壊物質であるため、モントリオール議定書に依り、日本では1994年1月1日以降、生産は 中止しましたが、使用が禁止されたわけではありません。
ハロンバンクは消防庁、環境省の監理のもと「リサイクルハロン活用ガイド」を作成し、クリティカルユース(必要不可欠な分野における使用)でのハロンのリサイクルを積極的に進めています。
また、既存のハロン消火設備にあっては、放出後の補充はすべてに認められています。ハロンバンクには、約17,000トンのハロンが登録されており、不要となった消火設備から回収された" ハロンが年間約100トンリサイクルされています。
[消防庁通知:平成17年4月28日付け消防予第87号、消防危第84号からの引用]
日本ドライケミカルは、「消防環境ネットワーク」ハロン管理委員会の管理のもと、不要となった消火設備のハロンを回収し、備蓄しております。備蓄したハロンは、補充・新規供給として対応しております。
ハロンバンク推進協議会の業務は平成17年12月31日をもって終了し、平成18年1月1日からは、特定非営利活動法人(NPO)消防環境ネットワークが新設され業務の継承を行っております。
■プラント防災設備に関するお問合わせ:03-5815-5041