化学消火薬剤の中で最も短時間で驚異的な消火能力を発揮するのが、粉末消火薬剤です。
粉末消火薬剤による消火原理は、薬剤の熱分解で発生した二酸化炭素・水による窒息・冷却作用及び燃焼連鎖反応を阻止する負触媒効果の複合作用によるものです。
粉末消火設備は、粉末容器、加圧容器(N2ガス)、定圧作動弁、粉末放出弁、噴射ヘッド、起動装置、制御装置そしてこれらをつなぐ配管、配線等によって構成されます。 設備方式は、噴射ヘッドを配管で固定した固定式とノズル・ホースを用いる移動式に大別されます。固定式には防護対象物の形態に応じて、全域放出方式と局所放出方式およびモニターノズル方式があります。
制御装置からの電気信号で起動装置が作動し、CO2ガスによってN2加圧容器と粉末選択弁が開放されます。
加圧容器からのN2ガスが粉末容器に流入して粉末を撹拌しながら規定の内圧に達すると定圧作動弁が作動し、粉末放出弁が開放されて粉末消火薬剤が送り出されます。
起動してから薬剤が送り出され放射するまでの作動は、非常に短時間で行われます。 1タンク2段放射システムは、LNG等ガス火災において1回の標準薬剤放射で消火を果たせなかったり再着火の恐れがある場合などに備えて、2回目の放射を速やかに行うことができる弊社独自のシステムです。
種別 | 名称 | 型式番号 | 主成分 | 原料の用途 | 見掛比重 | 適応 | 外観 |
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ABC泡共存性 | PAN-CP | 薬第53~1号 | 燐酸アンモニウム (NH4H2PO4) |
食品添加物 醸造発酵助成剤 |
0.90 | A 火災 B 火災 C 火災 |
淡紅色 |
ABC(第三種) | PAN-HG | 薬第17~8号 | 燐酸アンモニウム (NH4H2PO4) |
食品添加物 醸造発酵助成剤 |
0.93 | A 火災 B 火災 C 火災 |
淡紅色 |
BC(第一種) | XT | 薬第43~4号 | 炭酸水素ナトリウム (NaHCO3) |
食品添加物 医薬品 |
1.10 | B 火災 C 火災 |
淡緑色 |
BC(第二種) | PAK | 薬第22~9号 | 炭酸水素カリウム (KHCO3) |
医薬品 入浴剤 |
1.0 | B 火災 C 火災 |
淡紫色 |
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